ありえない中立の立場
家づくりのネットサイトで「第三者として、建主さんと工務店(ハウスメーカー、以下省略)の間で、中立の立場で問題を解決します。」という記事を多く見かけます。
家づくりで法的に第三者になれるのは設計事務所ですが、最近はネットサイトの家づくり仲介業、相談業、検査業などが多くあるようで「第三者として、中立の立場で・・・」と言っています。
弁護士は依頼人から弁護料を受取り100%弁護する(相手方の弁護は禁止)ように、料金を受取るプロは払う人に100%味方するのが一般常識です。(裁判官が第三者の中立の立場)
どういう訳か、家づくりにおける第三者のプロたちは、最終的にあなたから仲介料を受取っておきながらあなたの味方をしないで、中立的立場で仲介するようですが、どういうつもりなんでしょうね。
(ある家づくり仲介サイトから引用)
ザ・○○の建築家ご紹介サービスは、お客様のご負担は一切ありません。
ザ・○○では、お客様が建築家と契約に至った場合に、建築家から設計監理料の12%をいただいており、この手数料のみで運営されています。
ザ・○○は家づくりにどこまでかかわるのですか?
ザ・○○はご紹介以降は家づくりにかかわりません。
サービスの利用料はかかりますか?
いいえ、ご利用は完全無料です。
どうして無料で紹介してもらえるのですか?
ザ・○○は契約時に工務店から工事費の3%をいただいて運営されています。
「ご紹介以降は家づくりにかかわりません」のに工事費が2,000万円のとき
建築家から、2,000×10%×12%=24万円
工務店から、2,000×3%=60万円
の合計84万円を両者から受取りますが、結局はあなたが払うお金です。
ちなみに、あなたが市内の建築家(設計事務所)を見つければ、工務店は建築家が紹介できるので、84万円は不要です。
ザ・○○は工務店から3%の仲介料を受取るので工務店に100%味方すると思いましたが、中立の立場のようです。
ザ・○○はあなたに無料ですと言いいながら、工務店から受取る仲介料 があなたのお金と知っているので、遠慮して中立の立場と言うのでしょうか。
ザ・○○に仲介料を直接払って、中間の立場からあなたに100%味方してもらった方がトクしますよ。
と言っても、「ご紹介以降は家づくりにかかわりません」なら、そうしてもトクすることはなさそうですね。
設計事務所は設計監理料をいただくので、あなたに100%味方するのは当然ですが、中には勘違いして同じようなことを言っているところもあるようで、困ったことです。
中立的な立場ってどういう立場でしょうか。
紹介した両者でトラブルになっても「ご紹介以降は家づくりにかかわりません」ということでしょうか。
関知してAとBの主張をプラスして2で割った回答なら、裁判所の判決直前の示談斡旋と同じです。
心当たりのない100万円を追加請求されたとき、中立の立場の回答は「100÷2=50万円の追加を払うことでいかがですか。」というところでしょう。
仲介料を払ってくれたあなたのために、追加請求を0円にしようと努力することは考えたこともないのでしょうね。
それとも「100万円は正当な追加請求です。」と、表向きの仲介料を受取った工務店寄りの回答をするよりまし、とする判断もあるのでしょうか。
裁判するとわかりますが、あなたと工務店の両者の良い分をすべて金額に換算し、プラスして2で割った金額が示談額であり、判決額です。
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