雪国では2階ベランダはいらない
「屋上にいると気持ち良い。」と感じられるのが、1年の中で何日くらいあるでしょうか。
雪国の屋上にいて気持良いと思えるのは、雨天でない、無風の、夏の夜と春秋の暖かい日くらいです。
雪が降って積もっているとき、雨が降っているとき、風が強いとき、夏の昼間の熱いとき、春秋の寒い日などは屋上にいたくないでしょう。
雪国では、1年の中で屋外で気持の良い日は思っているより少ないのです。
ベランダも同じですが、お金をかけて造ったのに使わない日が多く、造ったがゆえに家の傷みの最大要因になります。
2階の屋外や1階の屋根の上にベランダを造れば、雨が降り雪が積もるので、屋根(庇)が必要になります。
ベランダや庇を造ると、それらに接する外壁部分が雪の凍害で傷みやすく、雨漏りしやすいし、それらの工事費も余計にかかります。
本当にこの部分の納まりが悪く、誰がやっても力づくのシーリングで逃げるしかないんです。
これらを造って、あまり使用しなかったら、造って良かったということになりません。
私は建主さんにこれらを十分に説明し、それでも造りたいというときは設計に入れます。
外壁材がサイディングのとき雪の凍害を受けやすく、数年後に補修しようとすると、そのサイディング材がすでに廃番になっていて、同じ材料で補修できなくなるので、引き渡し時に補修用のサイディング材を受取り、保管する必要があります。
ハウスメーカーは雪のない首都圏の家を想定しているので、上記のようなことを気にしていないプランが多く、注意が必要です。
トップページへ