雪国に最適な大屋根

雪国で長持ちする最も好ましい屋根の形状は何でしょうか。

勾配屋根(切り妻・寄せ棟・片流れなど)や無落雪屋根がありますが、どちらにしても、家全体を1つの屋根で覆う大屋根にするのが最も好ましい形状の家です。

世界遺産の飛騨高山の合掌造りの家を想像すれば良いでしょう。

平屋建て、総2階建てなら1つの大屋根で覆うことができます。

例えば、1階が20坪、2階10坪のように、2階が1階よりも狭い家が多いですが、この場合でも合掌造りのように、屋根の勾配を1・2階の面積比に合わせれば大屋根にできるときがあります。

なぜ、大屋根が良いのか。

上記の家の1階部分、2階部分の各10坪の屋根に雪が積もります。

1階部分の屋根雪が2階外壁に接するので、雪の凍害で傷みます。

(サイディング張りの外壁で、10年後に修理するとき、そのサイディングは廃版になり販売していないので、大変困ったことになります。)

大屋根ならこのような個所がなく、雪は屋根材だけに積もるので安全です。

雪国では、外部に水平部分があれば必ず雪が積もります。

一般的に窓上には庇(霧除け)があった方が良いとされますが、ここにも雪が積もり外壁が傷むので、雪国の庇は必ずしも良いとは言えません。

窓上に庇が欲しいときは、その上の屋根の軒先の出を長めにすると良いでしょう。

雪国では屋根の軒が雪の重みで折れることが多いです。

これは積雪屋根の軒先に大きなつららが発生し、その上に雪庇(せっぴ)があるとき、その重さで軒を支える垂木(たるき)が折れるので、軒先が折れるのです。

私は、軒先の垂木のサイズは中央部と同じですが、垂木のビッチ@455を軒先部分だけ@227にして補強しています。

外壁4周囲に屋根の庇があった方が良いですが、そうできないとき、水上(みずかみ)と両側面の軒先が無くても、水下だけ軒先を造れば大丈夫です。




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