雪国の大屋根のつくり方

密集した住宅街は総2階建ての家が多いですが、一般的な住宅街では1階が20坪、2階10坪のように、1階の方が広い家が多いです。

このとき、2階の屋根雪や雨水が1階の屋根に落下するのは雪国では仕方ないこととされ、今も一般的にそのように建てていますが、好ましくない屋根形状です。

大屋根にすればそうならないが、もともとそのようなことを考えないし、その気になってもプランニング(平面計画)をまとめるのが難しいので、結果的に大屋根の家にはなりませんね。

大屋根の家にするには、プランニングの当初からそのつもりで進めないとうまくまとまらないからです。

昔の農家は田の字型の単純明快な同一プランニングが多く、同じ地域に同じような家を数十棟も建てているので、きれいな大屋根になっています。

飛騨高山の合掌造りが、大屋根集落の美しさから世界遺産になっています。

最近の家は屋根形状を考えずに間取り(プランニング)を決め、それに合わせて経済的な屋根にするので、大屋根の家になりません。

雪国では軒樋をつけても、つららと雪庇で軒樋が壊れるので、軒樋を取り付けないのが一般的です。

室内の暖房熱や太陽熱が屋根材に伝わり、屋根雪が融けた水を融雪水と言います。

融雪水は24時間発生し、軒樋がないので2階の屋根から1階の屋根に落下し、24時間ボト、ボト、ボト、・・・・と音が続くので大変困ります。

これは冬の融雪水のみならず、冬以外の雨天のときも同様なので、結構大きな問題です。

雪国では当然のこととして受け入れ、お互い聞こえないふりをして我慢しながら毎日を過ごしています。




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