雪止めでは雪が止まらない

鋼板葺きの勾配屋根に雪止め(金具)を45cmピッチで取り付けているのを、雪国でよく見かけますが、はたしてこれで屋根雪が止まるでしょうか。

この雪止めだと一時的に屋根雪が止まりますが、いずれは地上に落下します。雪止めを2、3段取り付けても、同じです。

この雪止め巾(20cm)部分の雪は止まりますが、それ以外の屋根雪は、屋根上で発生した融雪水が潤滑剤になり、屋根の勾配に沿ってずり落ちます。

雪止めがあると、屋根雪が一気に屋根から落雪することがなく安全ですが、屋根雪が軒先のつららと共に円弧状の雪庇になりながら、ゆっくりずり落ちてきます。

その下にある通路を通ったりしていると、いずれ雪庇がその自重を支えきれずに地上に落下して危険なので、相当の大きさになったら、雪道具で落とします。

屋根雪を完全に止めることができないか。

雪止め金具を外壁位置の屋根上に45cmピッチで取り付けます。

雪止め金具には鉄製のL形鋼材を嵌め込む溝があるので、そこにL-50×50×6くらいのL形鋼材(亜鉛メッキ品)を軒先と並行に連続して設置すれば、屋根雪は完全に止まります。

しかし、屋根雪を止めることができても、融雪水は屋根上、L形鋼材の下を通り抜け、軒先から落下するので、つららが発生するのを防げるわけではありません。



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