寒い玄関を考える

玄関先に
アルミサッシ材で風除室を造っているのをよく見かけますが、外観上あまり
良くは見えないし、立派な玄関ドアが隠れてしまうのももったいない
です。

なぜそうなるのかというと、
玄関とそれに続くホールや廊下との間を壁で仕切っ
てないからです。

そのため玄関の寒気がそのまま1階廊下全体に伝わり、部屋から廊下に出ると暖房し
ている家の中にいるのに寒さを感じるし、その
寒気は階段を通して2階の廊下全体
を寒くします。


普通は1階床と外壁と屋根は断熱材で屋内外を区画しますが、1階天井裏(2階床
下)と廊下と各部屋間の区画には断熱材を入れないので、一度屋内に入った寒気は
思っている以上に影響があります。

これを防ぐために玄関先にアルミサッシ材で風除室を造るのでしょう。

しかしこれだけでは玄関からの寒気を防ぐには不完全です。

玄関のタイル張りの土間床部分から寒気が侵入するし、玄関を見たとき視覚的にも寒
さを感じます。

どうしたらいいでしょうか。
玄関を風除室という部屋にすることで解決できます。


玄関の床に上がったところ(上り框)から1.2〜1.8m入った位置に、それに続く
ホールや廊下とを
区画 する壁を造りその壁にドアを設けて出入りするのです。

ホールが暗くなるのであればこの壁に大きく型ガラスを嵌め込み、ドアにも大きめ
の型ガラスを入れたものにすれば解決できます。

またこの壁は玄関の正面になるので、絵画を掛けたり生け花を置いたりして飾り付けすることができます。 


玄関から侵入する冬の寒気はこの壁とドアで遮断することができます。

アルミサッシ材の風除室の床面積分を玄関に含めれば広さは同じです。

玄関での滞留時間は少ないし 玄関では
外出着なので寒気が気になりません

玄関ドアが外に出るのでが玄関らしくなるし、外出時以外に寒気を感じさせる玄関
を見ないで済みます。


玄関ドアを開けて中に入ったとたん、奥さんがトイレから身づくろいしながら出て
くる姿を見せられたり、浴室から裸で2階に上がろうとするご主人を見せられたり、
階段を降りてくる奥さんのスカートの内側の太ももを見せられたりした経験がありま
せんか。

これではお互いに気まずくなって挨拶もできません。

チラシを見るとこのような平面図があるが、これは玄関ホールの奥側にトイレや脱衣室があり、手前側から階段の上りがある家のときこのようなことが生じます。

玄関ホールを広く見せたいために玄関ドアからオープンにしているのでしようが、
階段の上がる位置を
奥側にすれば全て解決できます。

しかし、階段の2階からの下り位置が居室の反対側になってしまったりするので、少
し考えないといけません。


階段が玄関の手前側に降りてきて良いのは、外国映画の大邸宅の階段のときのこと
であつて、階段の上がりが玄関の目の前になるときは適切ではありません。

このとき上述のように玄関とホールとの間に壁を造ることができれば平面はそのまま
でもO.Kになるので、
区画壁は平面計画の自由度を大きくします。

道路からのアプローチと玄関前のポーチにも照明を設置します。


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