玄関の広さの広さを考える
■玄関の巾はどのくらいが良いでしょうか?
3尺(0.91m)、4.5尺(1.365m)、6尺(1.82m)、9尺(2.73m)、12尺(3.64m)以上のどれかです。
設計上、巾寸法は両柱(壁)の中心から中心までの寸法なので、両壁の内側巾(うちのり、有効巾)は壁厚分だけ狭くなり、3尺は0.78m、4.5尺は1.23m、6尺は1.69mになります。
玄関収納の奥行は40cmあるので、置けば玄関の巾はそれだけ狭くなります。
玄関の最少巾は3尺巾で、玄関収納は壁に埋込み、3尺巾を確保します。
壁に埋込むには巾40cm必要になるので、結局、玄関の最少巾は4.5尺です。
4.5尺巾で玄関収納を壁に埋込むのと、6尺巾で露出するのと有効巾は同じです。
6尺巾で玄関収納を壁に埋込むのと、7.5尺巾で露出するのと有効巾は同じです。
一般的に、狭めの玄関なら、6尺巾で玄関収納を露出し、広めの玄関なら6尺巾で玄関収納を埋込みます。
9尺巾以上は、好みと余裕で決めることであり、豪華な家のときはそうします。
玄関は屋外から入る側のタイル張の「踏込み」と、フローリング張の「ホール床」に分かれ、履き替えのため段差があります。
段差は、以前は30cmくらいありましたが、最近はバリアフリーを意識して10、15cmにするのが多く、段差なしにするときもあります。
ホール床がフローリングで、踏込みがタイル張のときは、段差なしにすると水気でフローリングが傷むので、10cm以上の段差をつけます。
また、履き替えするなら、段差をつけるのが一般的です。
■玄関の奥行はどのくらいが良いでしょうか?
一般的に、6尺から12尺で、踏込みは半分の3尺から6尺くらいです。
豪華な家はもちろん、それ以上にするでしょう。
住むと、玄関に置き放しにする靴が多くなるし、自転車などを持ち込んだりするので、踏込みを広くしておいた方が正解です。
■玄関の面積は、6尺×9尺=1.5坪から、7.5尺×12尺=2.5坪くらいです。
玄関の広さは狭いよりも広い方が良いですが、全体計画の中から決めていくのが一般的です。
一方、玄関は通過するだけと考え、3尺巾にするのもあるし、こだわりで玄関だけは広くするのもあります。
計画当初は6尺×12尺=2坪でスタートし、計画していく中で確定すると良いです。
■玄関と廊下(ホール)が連なるプランでは、玄関に入ったとき、家の中が丸見えになるときがあります。
自分たちは気にしなくても、外を歩いている人や、お客さんが「見てはならないものを見てしまった。」気分になるので、その間を建具で仕切れるようにしましょう。
これは、冬の寒気で廊下を通して家全体を冷やされるのを防ぐ有効な手段です。
■玄関は家の北西にするのが、平面計画上、最適位置です。
こうすると、東、南東、南、南西が空くので、主要な居室を連続配置できるのでまとめやすくなります。
これに適する敷地は(敷地の西に道路がある)西入り、北入りですが、そのような敷地ばかりではありませんね。
南入りのときは、西南側に玄関を置くか、面積を倹約するなら北西の玄関まで屋外通路を設けて入ります。
東入りのときは、北東側に玄関を置くか、面積を倹約するなら北西の玄関まで屋外通路を設けて入ります。
■ハウスメーカーのプランで、南入りのとき、南面の中央に玄関を配置し、両側に
居間、居室を振り分けたプランが当たり前のようになっているのを見かけますが、
そうすると、居間の反対側の居室が独立して使わない部屋になってしまいます。
これは、(最小面積で各室の面積を広くする)面積効率を優先した結果です。
この入り方は入居すると分かりますが、道路から大きなテラス戸や窓が開いている
居間や居室が丸見えになり、いつもカーテンやブラインドをかけなければならない
開かずの窓になります。
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