| ハウスメーカーの商品図集 ■ハウスメーカーが、ニーズに対応できるであろう与条件を自社で想定して設計し た、数十の設計図の集合を商品図集とします。 「木の香りがする『檜の家』」のように、自社内で想定した与条件から設計してか ら『檜の家』を宣伝、販売しています。 商品図集があれば、その中の与条件に合う案を基本図の第一案として提案すること ができます。 それから打合せによる少しの設計変更をして、もともと実施図は完了しているので すぐに設計完了です。 商品図で基本図を提案されたとき、全ての敷地環境にあてはまるプランはあり得な いので、敷地の形状、方位、道路、隣家などの敷地環境からのチェックが大切です。 自分の敷地環境に合わない部分を変更していく過程で、すっきりしないときは他の 商品図に乗り換えて、再スタートすることが大切です。 設計が完了している商品図を変更すると手間がかかるので好まないし、変更が多け ればオーダーが多くなり、工費が跳ね上がって受注できなくなるので歓迎しません。 せっかく多くの商品図があるのですから、なるべく変更しないで済むような案を探 すことです。 与条件に合わせた商品図を提案されるのを待つまでもなく、初めからハウスメー カーになるべく多くの商品図を持ってきてもらい、自分で選んでから進めるほうが良 いかも知れません。 ■オーダー設計は何も無いところからスタートするので、変更すなわち設計ですが、 商品図は完成した設計図なので、少し変えても全て設計変更です。 同じように設計しているように見えるが、担当者の感覚は大きく違います。 前者はまとめるために一所懸命に設計しますが、後者は変更がなければ設計は不要 で、変更があればその分変更するだけです。 家の設計には必ず構造計算書が必要ですが、確認申請では提出しないから見ないと きが多いので、後のことを考えて必ず受取りましょう。 商品図は構造計算が完了しているので、計算内の変更であれば、計算しなおす必要が ありません。 それゆえ、計算内の変更になるように誘導し、計算外になる変更は好みません。 平面図の家具などの大きさが部屋を広く見せるために、実際よりも小さめに書いて あるときがあるので、チェックする必要があります。 せっかく今までの狭い住居から広いはずの一戸建ての家に住むつもりが、新居に住ん でみたら、以前と同じような狭い部屋ばかりだったということになります。 建主さんの与条件は全て個性があり、細かいところまで決める特殊解ですが、複数 のスタッフで検討した与条件はどうしても一般解になり、細かいところを決めきれ ないため、商品図のプランには曖昧さが残ります。 それゆえ、どうしても細かいところで変更したくなります。 「おおよそこれで良いのだけど、こことここはこうしたい。」という具合に、必ず 部分的な変更を希望します。 以前は変更にそれなりの自由度がありましたが、手間をかけずに同じ家を多く建てな いと利益を得られなくなったので、その自由度が少なくなっています。 ■商品図は十分に検討した設計なので良くできているはずですが、「ここだけは、こ うしたい。」と変更したとき、それだけ設計が崩れます。 完成した設計は一部を変更すると必ず他に影響し、次から次と連鎖的に変更が必要に なり、全体に及ぶので手間がかかり、工事費も上がるため、連鎖変更しなので良い家 になりません。 たとえば、一つの窓の高さを変更すると、立面図で統一されていた全体の窓の高さ と合わなくなります。 横にずらすと、バランスある配置だった窓がそこだけ片寄り、外観が崩れます。 平面の変更で外壁が出たり、引っ込んだりすると屋根の形が崩れ、外観が見るも無 惨な家になります。 ハウスメーカーが与条件に合う商品図がなくて新規設計図で提案してくるとき、注 意することがあります。 商品図の良さは、その商品が多く売れるように、1年かけて開発、設計した完成度 の高いことにあります。 しかし、新規設計なら、それらと全く無関係で、カタログのきれいな家が建主さん のイメージとして残りますが、屋根や、外壁の材料が同じだけで、同じ外観イメー ジの家になりません。 それゆえ、カタログの外観イメージを捨て、オーダー設計と同じに進めていけば良 いでしょう。 商品図は完成品ですから、変更しないでそのまま建てた方が良い家だし、変更する より安いはずです。 普通は住み方に合うように家を造りますが、このとき、とことん自分の意に合うよう にしないと気に入らない家になるとは限りません。 少し合わないが変更しなかった部分だけ、家に合わせて住み方を変えれば良いこと で、そう難しいことでないはずです。 「少しくらい変更しないと建売りみたいに他の家と同じになって、世界でたった一つ の自分の家にならないし、家づくりの楽しみが減る。」 と思うでしょうが、自分で選ぶ屋根、外壁、建具のデザイン、屋内の仕上材は他の 家と違うし、同じ『檜の家』がすぐ隣りに建つこともないでしょう。 ■建主さんの与条件からスタートするオーダー設計は方位、道路、隣家などの敷地環 境を考慮して計画するから、必ずそれらを図面に記入しますが、カタログ商品図にそ れらを記入すると、商品図が合わないことが分かってしまい、売れなくなるので、方 位と道路が記入されていません。 居間の位置から方位を予想して各部屋の配置を見ると不適当な部分があり、方位を 変えてみても不適当な部分がありますが、どういうことでしょうか。 たとえば、道路は敷地の東西南北の四方位とその中間方位もあります。 他の与条件が同じとしても、それだけで四つ以上のプランが必要ですから、『檜の 家』はその中の一つだけ合い、その他には合いません。 合わない敷地のとき、合わない部分の変更をして済ませたいでしょうが、完成して いる設計が大きく崩れるので、そうするべきではありません。 これから、敷地の方位上の道路など、敷地環境が合っているときだけ『檜の家』を採 用できることが分かります。 「『檜の家』は、道路をどこに想定していますか?」 「南道路を想定しています。」 「良いと思ったけど、ウチは北道路だからダメだな。」 「いえ、基本的に南道路ということであって、少し変更すればどの位置でも良いよ うにしてあります。」 合理性追求型ブロックプランで計画しているのが多く、方位上の主要居室を優先し て考えていないときが多いのでチェックが必要です。 他室は平面整形と全体の面積が少なくなるように設計するため、効率的な平面にな っているので、少しでも変更すると必ず面積が増えます。 契約後に変更すると追加になるので注意しましょう。 方位重視型ブロックプランの考え方で選ぶことが大切で居間、食堂、寝室、個室な どの主要居室は、方位を無視した配置のものを選ぶと大きな禍根を残します。 主要居室は南、東にあるのが良いし、西も良いとしても、北にあるのは良くありま せん。 北はアトリエなどの目的を持った大人の特殊な部屋は良いとしても、居室は健康を害 するなど必ず問題が生じます。 ■あらゆる敷地環境に適する商品図はありません。 敷地環境に合わせて変更するのでなく、それに合う商品図を探すことです。 方位と道路を記入した敷地図に、商品図の平面を同縮尺にして切り貼りして見ると、 家と敷地環境との関係がよく分かります。 少しくらい廊下が長くても、居室の配置が方位的に良い平面を選択しておかないと、 最終決定するときに部屋の方位上のまずさに気がつきます。 そのときに設計変更することは不可能です。 新たに書く平面図と外観図は、一致していますが、商品図はそうでないことがあり ます。 カタログの商品図に、平面図と外観図が同ページに掲載されていれば良いですが、 「平面図はこれで、外観図はイメージ画です。」 と言われたら、実際にはそのようにカッコ良い外観の家になりません。 少しでも平面図を変更すると、必ず外観図が変わるほど密接な関係にあるので、初 期のときを除いて、そのたびに外観図を書き直してもらうことです。 常に両図が一致したもので打合せしないと、後戻りすることになるし、そのままにし ておくとイメージ通りの家にならず、後悔します。 トップページへ |
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