家のつくりの精度
■家が完成し、引き渡しのときは良くできていると思い喜んで入居しますが、実際に
住んでみたら、いろいろな不具合があることに気がつきます。
家は春・夏・秋・冬の四季の1年間を通して住んでみないと良くできている家かど
うか、判別つかないものです。
雨漏りなど、すぐに修理すべきことはすぐ修理するとしても、不具合でも少し様子
を見た方が良いときもあります。
たとえば、外壁のタイル張りにクラック(ひび割れ)が入ったとき、見つけたその都
度に補修するのも良いですが、それらが全体的なものか、部分的なものかを見極め
てから補修する方が良いときもあります。
まず、あなたが
「Kは始めからクラックが入るような工事をしたくてした」
と思わないことです。
そう思えば、
「手抜き工事だ! どーしてくれるんだ!」
と怒り心頭に達するでしょう。
そうすれば、Kも逃げ腰になるので、良いことはありません。
もともと、
・外壁のタイル張りはクラックが絶対に入らないとは言えないこと、
・鉄筋コンクリートや、モルタル塗りの外壁はヘアークラック(毛ほどのひび割れ)
が入ることを知っておくことです。
湿式工法・・・工事するときに「水」を使う(タイル張りやモルタル塗り)
乾式工法・・・工事するときに「水」を使わない(サイディングなどの工場製品)
湿式工法はその程度の差があるにせよ、乾燥して水分が抜けると体積が収縮するの
で必ずクラックが入ります。
それを承知の上でそれらの選択をしましょう。
そして、その建材・工法の許容範囲のクラックであれば許容する気持を持たねばい
けません。
もし、ヘアークラックも一切認めないというなら、Kに最初に言っておくことです。
たぶん、全てのKが逃げていくでしょうが・・・。
■物をつくったとき、指定寸法に対して必ず誤差があります。
誤差のない製品は一つもありません。
誤差を認めないなら、それを受注する人は誰もいないでしょう。
この範囲なら使用するに差し支えないという範囲が許容誤差です。
工事をやりなおすか、そのままかというのも、その許容誤差内か、外かで決めます。
垂直な柱、水平な梁、直角な角はどこにもありません。
垂直な壁も、水平な床・天井もどこにもありません。
どれも、少し倒れていて、少し傾いていて、角が89.9°で、少し曲がっていて、少
し凸凹しています。
しかし、見た目は垂直で、水平で、直角で、まっすぐで、真っ平らです。
そこで問題になるのが、それらの程度です。
その許容範囲の規定があるとして、その規定を持ち出しても、Tが認めなければ意味
がありません。
逆に1ヶ所でもその規定外の個所があれば、その一部、または全部を補修せねばなら
なくなるので、Kにとって良いとばかりとは言えません。
その規定が役に立つのは、不幸にして裁判になったときでしょう。
仮にあなたが、それらにこだわりたいなら、最初にKに言ってください。
たぶん、全てのKが逃げていくでしょうが・・・。
ただ、数倍の工事費を出せば受注するKがいるかもしれませんね。
人の感覚はかなり正確で、ある範囲を越えて垂直でなかったり、水平でなかったり
、曲がっていると見た目ですぐ分かります。
床の上を素足で歩いてみると、ある範囲を越えて水平でなかったり、凸凹している
と、感触ですぐ分かります。
引き渡し検査のとき、家中を虫眼鏡で見るようなTさんもいます。
契約前にそうすると聞いていないので、そのときはSもKも固唾を飲んで見ているし
かないし、無事に済んで欲しいと祈るしかありません。
建築の精度は電化製品と違い、荒っぽいものだが、見た目や生活に支障があるほど
荒っぽくはありません。
当初にあなたからこのような話がないときはSも、Kもその程度で良いと判断してい
ると思ってください。
もし、そのような要望がおありでしたら、最初にお話ください。
Sも、Kも受注することを熟慮するとともに、受注するときは通常の何倍かの金額を
提示するでしょう。
ちなみに、そのような申し出を受けたことは、かつて一度もありませんが・・・。
始めから手抜きっぽい工事だったとしても、工事中にあなたはそれに気がつかなか
ったでしょうし、誠実な工事でも、結果的に不都合な工事になることもあります。
そのようなとき問いただしても、Kが「手抜きしました。」と返事することは絶対な
いし、実際そうだったかどうかも誰も知ることはできません。
なるべくなら過去を問わず、怒らず、落ち着いて、これからどうやって通常の状態
に戻すかを関係者で相談して対処するのが良いでしょう。
そもそも、このような問題に関わりたくないなら、どうすれば良いでしょうか?
安い工事費だったらそうなるとも言えないし、高い工事費だったらそうならないとも
言えません。
「そうならないような体制で家づくりをする」ことです。
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