壁紙の色決め
建主さんT、設計事務所S
S「先日、壁紙3社の見本帳を見ていただき、お話をしてから、2冊を持ち帰っていただきましたが、いかがでしたか?」
T「やはり、あのとき、気に入ったものにしたい、と思います。」
S「いつもは3社くらいですが、気に入ったものがあまりなかったようなので、もう2社の見本帳を取り寄せておきましたが見ますか?」
T「見ます。」
T「白っぽいものが多くて、色ものが少ないですね。やはり、この前、良いと思ったのが一番良いみたいですね。」
S「分かりました。では、確認させてください。」
T「B社の○○ページのこれか、これと、○○ページのこれか、これです。」
S「それをどの部屋に貼ってみたいですか?」
T「居間と寝室ですが、どっちにしようか、迷っています・・・。」
S「ラタン模様のものを動的な居間にして、キャンバス地のきれいな中間色の方を静的な寝室にしたらいかがですか?」
T「実は、私もそう思っていました・・・、そうします。」
S「ところで、天井をどうしますか?」
T「天井は、天井用から選ばないとダメなんですか?」
S「そうではありません。天井用には良いのがないので、壁用から選んだ方が良いです。」
T「壁と天井をどう考えれば良いですか?」
S「壁と天井を同じにする考えと、別にする考えとがあります。」
T「どう違うのですか?」
S「同じにすると、壁紙の色になつた部屋の空気に囲まれた気分になります。濃い色はワンポイントでを使い、全体は薄い色の壁紙にします。想像してみてください。」
T「想像できないわ!」
S「そんなこと、言わずに想像してみてください。今の部屋で・・・、壁がこれで、天井をこれにしたらどうなるか、と・・・。」
笑いながら、
T「分かりました・・・、そうしてみます。ところで、壁と天井を違えたらどうなりますか?」
S「壁よりも天井の色を薄くすると天井が高く見えるし、濃くすると低く見えます。色が違うと緊張感を感じる部屋になります。先に壁を決めてから、同色系の天井にした方が安全です。」
T「・・・・・・・・。」
S「寝室の壁はその壁紙にして、天井はその上にある同色系の薄いのにしたらどうですか?」
T「・・・、それで良いかも知れない・・・。」
S「居間のラタン系の壁紙は強い印象なので、天井を同じにするとうっとうしくなります。キャンバス地にして、色を合わせるといいですよ。」
T「・・・、分からなくなってしまった・・・。」
S「では、それは保留にして、玄関、廊下の話をしましょう。玄関と廊下は同じにして、連続感を持たせた方が良いでしょう。」
T「居間と同じじゃダメですか?」
S「それでも良いですが、他に貼ってみたいと思うものが、ありませんか?」
T「なかなか、ないんです。」
S「そうですね・・・、その考えもアリですね。では、とりあえず、そういうことにして、トイレ、洗面室を考えましょうか。」
T「えっ、まだ、あるんですか?」
S「そうですよ。最近は簡単に決めるため家全体を白の壁紙にするのが多いですが、今回はそうしないので別に決める必要があります。」
T「どう考えれば良いですか?」
S「居間、寝室などとは、差別化する必要があります。」
T「どうしてですか?」
S「だって、寝室とトイレが同じ壁紙だったら、ヘンと思いませんか? 寝室にいるとき、トイレに入っていると錯覚したらイヤでしょう? それに、寝室よりもトイレの方が立派な部屋と感じるのもヘンでしょう?」
T「うーん・・・、確かに・・・。」
S「壁紙の値段は全部同じですが、模様や色から、上位の壁紙と下位の壁紙に分けるようにします。あっさりした壁紙を使えば、下位に見えます。」
S「なるほど・・・、そーなんだ。」
T「Aさんのお考えからすると、このあたりが良いと思いますが・・・。」
S「うーん、・・・それで良いかも知れない。」
S「今日は、これくらいにしましょうか。」
T「えっ! 終わりですか?」
S「最初にお話したように、工程上は今日決めなくても良いんです。 先日が1回戦、今日は2回戦目で、この分なら、次の3回戦目で、全部決められますから・・・,それまでに感じを掴むようにすれば大丈夫です。」
T「分かりました・・・、それで良いです。」
S「では、現場を見に行きましょうか。」
T「その前に、別のことを聞きたいんですが・・・。」
S「どうぞ・・・。」
数社で千種類以上ある壁紙から、全くの好みで・・・きれいで、感じが良く、ぜひ貼ってみたいと思う壁紙を先ず選んでもらうようにしています。
家に不向きな、店舗などに貼るインパクトのあるものは別として・・・、最近の壁は以前より、薄い色が多く楽しいものが少なくなりました。
それゆえ、そのようにして選んでも、結果はそれほど多くなりません。
それから、さらに絞れば、ごくわずかです。
それを聞くと建主さんの好みが分かるので、アドバイスしやすくなります。
最初に、最も好きな壁紙を、主要な居間、寝室の壁に決め、次に天井や、他の部屋を決めるようにして、家全体を順次に、構成していきます。
初めは「どの壁紙が合うか?、または適切か?」と考え、2、3種類に絞りますが、そのままの考え方でさらに一つに決めると、迷いの気持が残るので良い決め方ではありません。
最後は「これを(好みで)貼ってみたい。」というふうに、気持を切り替え、積極的な意思で一つに決めると、迷いの気持を引きずることがありません。
トップページへ