工事額はこうして決まる
T:建主さん(あなた)
S:専業設計事務所・・・設計・監理(施工はK)
K:工務店さん・・・設計・施工
H:ハウスメーカーさん・・・設計・施工
(上の凡例を以下の記事中、敬称を略して使用)
= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

■設計図からK・Hが見積書を作成してあなたに提出し、それに
同意すれば工事額が決定します。

工事額が決まるプロセスは1つのように見えるが、実は2つあり、
その意味は大きく違います。

(1) K・Hの
設計施工
(2) Sの設計監理

着工までのプロセスが違うので、契約(設計図と見積書)の精度が違います。

(1)は、基本設計→
概算見積書→契約→実施設計→着工→管理
(2)は、基本設計→
実施設計→見積明細書→契約→着工→監理

このように

(1)は、
基本図から概算書を作成して、契約する。

実際に
見積りせず、坪数と過去の実績単価から推定して作成します。

安全側に推定するので、
高めの見積りになります。

競争見積りしない
随意契約なので、安くなりません。

アマのあなたは工事額が予算内かどうかは分かるが、実際にはその見方も、
単価が安いのか高いのかも分かりませんよね。

・契約後、Tさんは分からないから、自由に実施設計する。
 「実行予算が不足だから、ランクを下げる変更をしよう。」

・追加が発生するが拒否できない。
 「実行予算が不足だから、これを追加工事にしよう。」

・Tさんが監理する。
 「一式見積りが多いので、追加精算できない。」

(2)は、
実施図から明細書を作成して契約するし、Sが監理するので安心です。



■見積書は○○建材の数量が何m2で、単価が何円だから、掛け算して金額を出し、
それを
合計したのが見積額です。

壁紙貼り       80m2 × 1,000円 =  80,000円
石膏ボードt12.5張り 120m2 ×  500円 =  60,000円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   合計                  20,000,000円

数量は設計図を見て積算するので、各K ・Hとも
同数量です。

単価は「材料費+施工費=複合単価」であり、各K ・Hで
異なります。

それゆえ、各K ・Hの
見積額の差は、単価の差です。

安い見積書は(同数量で)単価が安いということです。


単価は誰が出すのでしょうか?

下請社が「この価格で工事したい」と、K ・Hに見積りを出します。

K ・Hが、それを全部まとめて見積書を作成し、あなたに提出します。

単価は各K・Hごとにかなり違うのかと言うと、
ほとんど同じです。

たとえば、5社で競争見積りしたとき、
その中の3社が同一下請社からサッシの見積りを取るなど、
時期、地域が同じなら下請社の見積り単価はほとんど同じです。

そーなら、数量と単価が同じだから
各K ・Hの見積額は全部同じなのか?

その通りです。

ただし、K ・Hが下請社の見積りを集計した最初の見積額であり、
あなたに
提出されない上代見積額です。

受注できると分かっている時は上代見積額を高目に書き直し、
競争している時は安目に書き直した見積書を提出します。



■工事額を
安くしたいですか?

工事額を安くしたいなら、
数社のK・Hの競争見積りにすることです。

(1)は、5社で競争見積りしたと思うでしょうが、
5社の設計図が違うので競争見積りにならず、どれが最安か分からず、
結局1社と高めの随意契約になります。

もともと、(1)は
競争見積りできない家づくりですが、知っていましたか?

(2)は、Sの設計図でK5社に競争見積りして、最安のKと契約できます。
このように、
競争見積りできるのはSの設計図がある(2)だけです。



■5社の見積額を見たとき、
「同じ図面なのに、
どうして数百万も違うの?
の質問がTさんからありました。

K・Hは競争見積りのとき、受注するには
最低価格を提示しなければならない。

「無理してでも、取る!」
「無理して取ることはない・・・運が良ければ取れるだろう。」
「取らない。」

各社は、このうちのどれかの立場に決めてから見積り提出するので、
その差は
10%以上になります。

「上代見積額から、いくら値引きしたら、契約できそうか?」

このように、
「競争見積りでの数百万の差額は、
値引きの差額です。」

ちなみに、競争見積りのデータです。
ケース1 2,590万、2,670万、2,800万、2,900万、3,070万 最大差18.5%
ケース2 2,500万、2,680万、2,730万、2,814万 最大差12.5%
ケース3 2,450万、2,520万、2,640万、2,750万 最大差12.2%


ん?、そうすると・・・、
設計監理費がタダ ?



「家づくり経験論」のトップページへ