設計中のチョット困ったこと

数回目の打合せのとき、建主さんから「予算的に今までの案が大きめだったので、小さくしたプランをつくってきました。」と、フリーハンドのスケッチ図を提示されました。

数日後にその図面を書くことで、打合せを終わりました。

それを図面化しているとき、不具合のあるプランと分かりました。

建主さんが自分のプランを提示するのは良いのですが、実はチョット困ってしまいました。


私の初回提案のプラン(平面図)で打合せし、それを修正提案し・・・打合せし、それを修正提案し・・・と繰り返しながら設計を進めます。

初めての打合せで建主さんのプランを受取ることがありますが、それ以外はほとんどありません。

常に私が提案し、建主さんと打合せし、図面訂正していく方法だからです。

しかし、今回は途中でプランを提示されたのです。


進めていたプランに全体的な手を加えてありましたが、それで設計を進めても、良くなりそうもありません。

それを少し修正するのは良いでしょうが、大きく修正すると建主さんが気分を害するかも知れません。

自分のプランを修正されると否定されたと思うでしょう。

「お金を払うのに、なんで文句言われなきゃならないんだ。自分のプラン通りに図面を書けば良いんだ。」と、言いたくなるかも知れません。


本当は「予算上、面積を減らしたプランを提案して欲しい。」と、言っていただいた方が良かったのです。

建主さんからのプランが、
対案になってしまったのです。

建主さんの案を無視することはできません。

さりとて、建主さんのプランで進めても、良くなりそうにありません。

さて、どうしましょうか ?



結局、当面は
2案で進め、その後に1案に絞ることにしました。

それで建主さんのプランと、私の縮小プランとの2案で進めました。

その後、建主さんから「自分の案が良い。」と言われれば、その範囲内で良い家になるよう、設計を進めます。


設計者から見て良い方のプランに決まるとは言えません。

決定権は建主さんにあるので、建主さんが良いと思った案に決まります。

建主さんのお金で家を建てるのですから、自由に決めて良いのです。


その後、建主さんは私の縮小案を採用しました。

たぶん、自分でどこが良くないか分かっていたのでしょう。



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