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| 大昔の竪穴式住居では一つの家を壁で仕切ることなく数家族が住んでいました。 いつのころか一つの部屋が壁で仕切られ、その部屋名ができました。それ以後今日ま でに一つの家の中がいくつもの部屋に壁で仕切られ、それぞれの部屋名がついていま す。 家の中を壁で区画する必要があるのでしょうか。 もちろん大昔の生活と違い必要なところは適切に区画する必要があります。 家の中に仕切壁が無ければ、家の中にいるときに好むと好まざるとに関わらず家族全 員が常に顔を合わせることになりますが、区画すればするほど家族が家の中で顔を合 わせる時間が少なくなります。 計画しているとき家は自分の自由になりますが、完成して住み始めると家が一人歩き をしてその家族の生活や家族関係にその影響を及ぼします。 もし平面計画が不適切だとすると必ず家族関係に悪い影響が出ます。最近家族の関係 が希薄になっていると言われますが、その原因の一つに家の平面計画があると思いま す。 家を計画するときに外観や内装のデザインも大切ですが、最も大切なことはその家の 中で家族が仲良く団らんできる家にすることで、またそうしたいから家づくりをする のだと思います。 新築の家に住み始めてから家族の関係がより親密になったらその家づくりはうまく いったと思いますが、各自が自分の殻の中に入ってしまうようなら家づくりは失敗で す。 一つの家に住む家族は顔を合わす機会が多いほど親密で良い家族形成ができます。た とえ、そのために喧嘩が絶えない家族であったとしても、それは家族であれば解決で きるはずです。 それを恐れ、回避しようとすれば喧嘩をしないで済む家族になることができますが、 それが良い家族になっていくとは思えません。 しかし、その方が良いと思う建主さんもいるでしょうから、それはそれで良いでしょ う。 ものは試しですから、どちらかに決めてみてください。 どちらかに決めてみると、きっと考えがはつきりしてくるはずです。 しかし、決めると言ってもここでは「そう仮定して先に進む」ことであって、最終決 定することではありません。 そのまま計画を進めて行って最終決定する前に一度全体をチェックするでしょうか ら、そのときにそれで良かったのであればそのまま決定すれば良いし、そのとき間 違ったと思えば、その仮定を修正してまたやりなおせば済むことです。 いずれにしても、平面計画のときこれらのことを考慮しながら進め、完成した家に住 んでみてその通りの生活ができればそれは良い平面計画だつたと言えます。 ただし、「この平面計画なら良い家族関係を築くことができるだろう。」と予想して 平面計画を決めるだけであって、実際にそうなるかどうかは家が完成して住んでみな ければ分からないという難しさが家づくりにはあります。 ここで「家族が顔を合わす機会の多い家」と仮定してみます。まず第一に、家の間仕 切壁が多いよりも少ないほうがその仮定に合った考えでしょう。 仕切りたいときに壁でなくても、家具を置いたり、可動間仕切、ブラインド、ロール カーテンなどでも区画できます。 これらは視角的に区画しますが、近くに人がいることを声や音で感じとれるが、壁で 仕切ればそうなりません。 二階に行く階段を廊下からでなく居間から上がるようにしたり、一階の居間を吹き抜 けにして二階の個室に行く二階の廊下を居間から見えるようにしたり、台所のキッチ ンセットを食堂側に対面式にすれば、家族が顔を合わす機会が多くなります。 壁が少ないだけ工事費も安くなるし、将来の間取りの変更の可能性も少なくなりま す。 リフォームのとき壁を新たに作るほうが、梁の架け替えを伴う壁を除却するよりも安 く済みます。 ただし、このとき壁が少ない分、適切な耐震強度を確保できるような構造にすること が大切です。 |
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