「家づくりは難しい」と言われますが、その難しさは二つあります。
一つは「どういう家にするか」という「設計」のことで、もう一つは「いかにして家をつ
くるか」という「工事」のことです。
「家をつくる」としても、どういう家をつくれば良いのでしょうか。
それが分からなければ、家をつくれないが、それが分かれば、家をつくれそうです。
それゆえ、「どういう家にするか」を「家をつくる」前に決めなければなりません。
しかし、「どういう家にするか」という「設計」が必要であることについての認識がまだ
少ないように思えます。
また、必要なことが分かっていても、その重要性についての認識が薄いように思えます。
これは棟梁と言われる大工さんが「頭の中で設計」しながら家づくりし、建主さんは棟梁
に任せて、あまり関与しなかった名残りです。
それゆえ、目に見える工事だけが強調され、棟梁の頭の中に隠れていた設計に気づかな
かったのです。
これは設計が今より単純で、棟梁が近くの知合いで、信頼関係があった時代に可能な方法
でした。
しかし、今は設計が複雑になり、工務店は初対面で、必ずしも信頼関係があるとは言えま
せん。
このような状況変化の中で、設計は重要な役割を荷なうようになりました。
工事の陰に隠れていた設計を表面に出し、工事と同等に、またそれ以上に位置づけする必
要が生じています。
「つくりながら考える」という方法は通用しなくなり、設計し、それに基づいた契約と工
事をする「設計を主にした契約行為」に変化したのです。
このように設計を重視して進め、契約し、設計通りの工事確認が家づくりの基本です。