設計とは何か
「設計」という言葉は、日常会話であまり使われないし、一般的に認知されていないよ

うです。

その言葉を聞いたときにアレルギーを感じたり、自分で言うとき気恥ずかしさを感じた

りしませんか。


家づくりの間にその言葉を数十回聞くことになるし、自分でも言うことになるので、そ

の気持を払拭し、何の抵抗もなくその言葉を聞けるように、自分で言えるように慣れて

おく必要があります。

50回ほど「設計」と口で言ってみるだけでそうなれるので、やってみてください。


「設計」は「設計事務所が設計する」ことを連想しますか?

工務店も設計するので、そのように連想するのはやましょう。

先入観念があると、「設計は、設計事務所だけがする。」、「設計事務所が入ったとき

だけ設計する。」と間違って思い込み、家づくりが理解しにくくなります。


家を建てるときは、設計事務所が入っていなくても、必ず「設計」が行われています。

「設計」せずして家を建てることはできません。

その「設計」を誰がするかによって、「設計・施工」で家づくりするか、「設計・監

理」で家づくりするか、に分かれます。


工務店が設計して家も建てることを「設計・施工」と言い、設計事務所が設計して(工

務店が)家を建てることを「設計・監理」と言いす。


「設計」は、設計業務そのものを言うのであって、それを誰がするかということとは別

のことです。

文中の「設計者」は、工務店と設計事務所の設計者の両者のことであり、どこに所属し

ていても、設計業務を行うときは設計者なので、そう表現しています。

所属の差で文意が異なるときは、それを区別できる表現をしています。



「設計という言葉をよく聞きますが、何のことですか?」

『こういう家を建てたい。』という気持を紙に書いて表現することを『設計する。』と

言います。

なぜそうするのか、というと自分で家を建てることができず他人に建ててもらうので、

自分の気持をその人に伝える必要があるからです。

自分で建てるときは設計図がなくても建てることができます。



「設計はどうしても必要なの?」

『家を建ててください。』と言ったとき、工務店はすぐ工事にかかるでしょうか。

当然ノーです。

たぶん『どのような家を、いくらで建てれば良いでしょうか。』と聞くはずです。

この問いに対する回答が設計の内容です。


自分の考えを設計者に話すと、数日後にやってきて、『お考えを設計図に書きました

が、これで良いでしょうか。』と聞きますので、そこに書いてある内容が自分の考え通

りの家になっているかの判断をし、返事をします。

数回このようなやりとりの後、『この設計図の内容で良いです。』と返事をしたとき設

計が完了し、設計図が完成します。



「設計図はどういうもので、誰が書くの?」

グラフ用紙に書いた間取りも設計図で、それで見積りもできるし、家を建てることもで

き、実際にそれだけで建てた家もたくさんあるでしょう。

他にハウスメーカーの完了している商品図、工務店の確認申請と見積りに必要な分ま

のもの、設計事務所のフル装備のものがあります。


誰が書くのか、は建主さんが決めることです。

自分で書く、ハウスメーカー、工務店が設計施工で受注したときに書く、設計事務所が

設計監理を受注したときに書きます。



「設計が終わったら、その次は?」

次に『その家を建てるとすれば、工事費はいくらか。』という見積りをします。


「なぜ、考えを表現したという設計図で見積りできるの?」

当初はスケッチ図程度ですが、設計を進めていく過程でその内容が『どのような家で、

いくらで建てることができるか。』ということを表現するように変化していき、完了時

にそれが確定するので、見積りができるのです。



現在はパソコンとキャド(設計支援)ソフトで設計図を書きますが、手書きの時代には

考えもつかなかったこと可能になりました。

その結果、以前は設計内容の違いだけでしたが、今はプレゼンテーションの方法に差が

出てきて、設計を二次元で進めたり、三次元で進めたりしています。


数社から同じ要領で提出されれば判断しやすいが、異なる表現方法で提出されるので、

かえってその差を判別することが難しくなりました。

見た目が分かりやすい三次元設計図の方が二次元設計図より優れていると思い込む恐れ

出てきましたが、表現に惑わされることなく判断することが大切です。


「A社は立体的に書いてあるので、きれいで分かりやすいけど、B社の平面図もよく見

ると、きめ細かく考えてあるのでなかなか良いんじゃないか。」