設計の進め方とその手法

「いろいろな本や雑誌を読んで計画してみたけど、どれが良いかを教えてくれないので、
分からなくなってしまった。どうすれば良いの?」 

家づくりの参考書や雑誌をいくら読んでも、
求める答を出してくれません

ただ
『あれもあるし、これもあります。』としか書いていません。

なぜかと言うと、答が無数にあるので『これだけが正解です。』と書けず
『これも正解の一つです。』と書くしかないからです。


家の設計は創作行為なので、単に知識があるだけでは足りません。

その
【進め方】を知らねばならないし、進めるための【手法】も必要です。

「それを知らないと計画できないの?」

知らなくても、本HPの手順通りに進めれば計画できます。

まずは、現在の一般的な知識を得るために、参考書や雑誌やホームページを読みます。

これらを多く見たり読んだりすると情報過多になるので、最初に立ち読みしてピンと
きた二、三冊、または二、三カ所のホームページに絞り込み、それらを
何度も繰返し
読む
ことが大切です。

小説を楽しむなら一回だけ読む多読でも良いが、家づくりなら
精読する必要があります。



「良いことを書いてあるものが、もっと他にあるかも知れない?」

どれも同じようなことを書いているので絞り込んでも大丈夫です。

家づくりの項目数は一定数だし、その内容量も多いかも知れないが、
一定容量を越えるものではなく、
同じようなことが書かれているだけです。


家の設計は設計者との共同作業で、自分の役目を果たしてから少し相手の役目分に
入り込む程度が良いと思います。

設計者の役目分に大きく入り込むと、やる気を無くし、あきらめて何も言わず、
最少限のことをやって早く設計を終わらせるようになるので、損をします。

こうするのは相手を信頼していないときなので、思いきって
「信頼している。」
と言うと、そういう気持になり、良くなりします。


設計者は「仕事だからやる。」というほかに、
考えたり、作るのが好きな性格なので、
その気持に乗って進められれば、さらにやる気を出すので得をします。



どんな家を欲しいのか、自分も分からないので、何度も自分の役目を考えることです。

そうすると、自分の考えがよく分かってくるし、不思議なことに設計者との関係も
良くなっていきます。

これは何もせず、ただ批判的な目で提出案を見るのと、
建設的な目で提出案を見るのとの違いです。


「あーしたい、こうしたい。」と考えるのがあなたの役目で、設計者はそれを
「どうやって実現するか。」を考え、設計するのが基本的な役目です。

そのとき設計完了までの
合理的で、効率の良い手法が必要で、遠回りにかかる時間は
単なる無駄でしかありません。

設計にはたくさんの時間が必要ですが、現実的には時間が限られていて、間取りを考えただけで「はい、時間切れです。」で良いわけがありません。

間取りは家づくりの第一歩であり
、考えることが他にたくさんあります。


「いろいろなアイディアを考えているから、自分で計画できると思うのだけど?」

設計者よりアイデアが優れているときがありますが、アイデアだけではまとまりせん。

設計者は合理的で効率的に設計を進める手法を知っています。

しかし、それは設計を早く終わらせるためでなく、限られた時間の中でより広く、
より深く設計するための手法です。

自分でいろいろ考えた後に『うまくまとまらない。どうしようか?』というときが
来るの
で、そのときが設計者に相談するときです。