「木造家の耐用年数は何年くらいですか。」という質問には、「最長60年くらいです。」と答えますが、その意味は「既存家に増築・リフォームしてお金をかけても無駄金にならないか ?」というときが多く、一般的な耐用年数ではないのですが、木造家の耐用年数はどれくらいでしょうか。
壁紙などの内装材が一番早く傷みそうですが、壁紙が傷んだからと言って家が耐用年数になったと思う人はいないでしょう。
屋根材が劣化して家全体で雨漏りするようになれば屋根材が耐用年数になったと言い、床暖房の温水配管が傷んで漏水してきたら、温水配管が耐用年数になったと言いますが、家の耐用年数になったとは言いません。
不幸にして新築から1年後に弱い地盤に載っていた基礎が部分的に沈下して床が傾いたり、家全体が傾いたときも耐用年数が来たとは言いません。
仮に住宅の耐用年数を60年としたとき、それまでの間に部分的な修理はもちろんのこと、家全体の壁紙を10回貼り替え、屋根を3回くらい葺き替え、外壁を2回くらい補修し、温水配管も3回くらい配管しなおしているでしょう。
基礎が部分的に沈下した部分があって床の一部が傾き、家が全体的に少し傾いているし、そのため外壁に亀裂が生じ、強い横殴りの雨のときに壁から漏水するでしょう。
大地震が数回、強い台風が20回くらいあったことによる家全体の傾きや損傷も生じています。そのとき倒壊しても、耐用年数を越えたのが原因とも言えません。
このように、家のある部分を指して「耐用年数を越えた」とも言えず、「あちこちだめになってきたから、そろそろ耐用年数かな?」と判断する、私的で主観的な判断です。
実際に家が無くなるのは耐用年数を越え、自然倒壊して無くなったのでなく、それ以前に利用価値がなくなったなどの理由で人が解体したからです。
定年住宅の新築か、増築・リフォームかを構造的に判断するとき、一般的な耐用年数で判断するのでなく、既存家を調査し、計画に基づいてどちらが適切なのかを判断すべきでしょう。