与条件の提示から設計スタート

■ 設計をスタートするには、どうするの?

ハウスメーカー(工務店)の1社または数社を選定し、電話で連絡して1社ごとに来てもらいます。

このとき
与条件、敷地図を提示し、その日から二週間後くらいに設計図と見積書を提出してもらいます。

与条件の話をしながら書きとめるよりも、文章書きしたものを渡した方が正確に伝わります。

数社のとき、話だと各社同一の与条件にならないが、
文章書きしたものを渡せば同一与条件になります。



■ メモ書きの設計与条件をハウスメーカー(工務店)に提示するだけで良いのです。

あなたが書いた平面図(プラン)も渡すかどうかは、要チェックです。

自分のプラン通りの家を建てたいなら、自分のプランを渡しますが、設計者が考えたプランを見たいなら、渡さない方が良いのです。

自分のプランを渡すと、設計者はそのプランに逆らうことなく、そのプランで進めるため、あなたは(数社の)設計者が考えたプランを見ることができないからです。



■ 自分の考えを文章に書くと、正確に相手に伝えることがいかに難しいことが分かります。

自分の気持を相手に伝えるだけでなく、
相手が自分の気持を受取れるように伝える必要があります。

読む相手も自分の考えを持っていて、自分に都合良く解釈するので、さらに伝わりにくいものです。


「なぜ、こうしたの?」
「与条件にありましたから、そうしました。」
「いや、それは無いはずだ。」
「ここに、こう書いてありますが。」
「ああ、それか! それはそういう意味で書いたんではないんだよ。」



■ 
与条件の設定と、与条件を提示することは大きな違いがあります。

それは、
設計内容と、工事内容の違いです。

与条件を考えるのは自分だけですが、与条件を提示すると、ハウスメーカー(工務店)工事の与条件として受取ります。

・全工事一式契約の設計施工である。
・分離発注、下請け指定がない。
・第三者の設計監理がない
・確認申請と、自社が必要とする図面だけで良い。

など、いつもの自社のやり方で進めます。



■ 与条件にあれば、専門的に不要と思った
過分の工事でも自発的には削除しません。

与条件が多いほど良い家になるが、工事費が上がるので、与条件を吟味し、
不要な項目は削除しておきます。


「こんなところに天窓をつけても意味が無いじゃないか。」
「与条件通りに設置しました。承認された実施図に書いてありますが。」

「明らかに不要な工事と思わなかったのか。」
「分かっていましたが、建主様からお話がない限り、私共で勝手に変更できないので工事しました。」

「分かっていたなら、専門家として言うべきではないか。」
「そうおっしゃられても困ります。お客様が承認された実施図に、私共は意見を言う立場に無いと思っています。」

「ム・・・・。」


「それは言ってくれるだろう、黙っていてもやってくれるだろう。」と思ったのが間違いで、自分から言わないし、悪いことはしてないので、無償でやりなおすことはしません。

建主さんが業界常識を知らなかっただけです。


最初にハウスメーカー(工務店)に与条件を提示しますが、「とりあえず、家づくりを始めよう。」と始めると、その後にいろいろ不利なことが生じるし、途中で訂正するのは難しいので、慎重にスタートすることです。



■ 電気、設備、その他の工事を分離しない、
全工事一式契約が安全です。

分離すると
工種間の見積り落ち、責任が不明確など危険がいっぱいで、問題が発生すればあなたのお金で解決することになります。

全責任を負うのは、電気・設備などを含む
全工事の元請契約だからです。

電気、設備が別契約なら責任は負わないので、あなたが別契約者と打合せをしなければなりません。



■ 知人のA電設がいるときは、
下請け指定します。

指定すると、そこから見積りを取って、見積書を作成しますが、実際にはそう簡単にいきません。

A電設の見積りは、ハウスメーカー(工務店)の下請見積りより高目なので、指名を外すか、差額分のご指名料を払うことになります。

指名しないか、
ご指名料を払うつもりで指名することです。


「知人のA電設を下請けに入れて下さい。」
「分かりました。では、電気工事はそこから見積りを取ります。」 

後日、
「A電設の見積りより、自社の下請けの方が安く出ました。A電設を指定すれば、○○万高くなります。」
「A電設の指定を外せないから、○○万高くてもやむを得ない。」

「A電設が高いので、そこまでされなくても、良いではないですか。」
「義理は果たしたから、指定を外してください。」

A電設の方が安くても、こうなります




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