トラブルの卵

 いつもトラブルの卵を抱えながら家づくりしていると思いましょう。

当事者が熱心であればあるほど、双方の考え方、やり方の相違が生じるので、
その可能性が高くなるという厄介な面があります。


家電品などの売買は契約する必要もない一瞬、
配達されるまでの数日間で完了するので、
双方が初対面でも確実に、トラブルもなく終了します。

しかも工場で製造された製品なので受け取る時点での不良品はほとんど無いし、
不良品なら新品と交換してくれます。


家づくりは設計も工事も数カ月かかります。

この間、
当事者の関係が常に良好であり続けるのは難しいことです。

数カ月間
継続した売買ゆえに必然的に生じる状況です。


トラブルの卵をそのままにしておくと、次の卵を誘引する原因になるし、
それらが重なると「モ−、イヤダ−。」ということになり、
トラブルの卵の殻が破れて本当のトラブルが発生するので、早めの解決が必要です。

双方が合意した上でスタートしているから、
トラブルの卵ができたとき、
双方がスタート時の気持を思い出して話し合えば解決できることが多いです。



■ 建主さんは発注者であり、一番偉い立場であり、我慢する必要はないですが、
ときには少し我慢すると良い結果になるときがあるので、自分の家のためと思い、
「ここは、少し我慢してみよう。」
と思つてそうすると思いがけない利益を得ることがあります。


問題なのは「良いと思ってスタートしたけど、裏切られた。」というときです。

両者が五分五分のときが多いが、片方が一方的に悪いときがあります。

「相手が一方的に悪いのだから、
自分が少しでも不利益をこうむるのは納得できない。」
と主張すると、ますます深みにはまるので、
「被害を少なくできれば、OK!」
という気持で柔軟に対応する方が良い結果を得られます。

大切なのはそのトラブルに勝つて快感を得ることではなくて、
「いかにして家づくりを早く再スタートするか。」
なので、早く気持を切り替えることが大切です。



■ トラブルになったとき、
「契約を解除するか、どうか?」
の早めの判断と決断が重要です。

作業が毎日進んでいるので、
判断や決断が遅れるほど、建主さんの被害が大きくなります。


トラブルの相手が設計事務所なら、
被害額が少ないので契約解除します。

トラブルの相手が工務店、ハウスメーカーは、契約直後なら契約解除するが、
着工後は契約解除しないことです。


前者を契約解除するのは難しくないが、
後者は難しいので契約解除できないと思ったほうが良いでしょう。

「ドーしても契約解除するしかない。」という決断のときは、専門家のアドバイスの
もとでの相当の準備と出費を覚悟することです。



■ 工務店が悪くても、実際に工事するのは下請けの会社とその職人さん達です。

その人達が皆悪いということはあり得ません。

要は、やり方の問題であって、契約そのものに問題があるのではありません。

そのためには仲介を兼ねたアドバイザーが必要です。

弁護士さんは、トラブルになってしまったことを解決します。


必要なのは
トラブルを防ぐアドバイザーです。

他の工務店は引き受けないし、適したアドバイザーとも言えません。


そのアドバイザーになれるのは設計事務所です。

そのような要請があったとき、ハートのある、使命感を持った設計事務所であれば、
適切なアドバイスと柔軟な行動をしてくれます。