家は耐震基準の何倍必要か
耐震基準は大地震のとき、家に何の被害も発生しないように規定しているのではなく、屋外に避難するまで家が倒壊しない強さに規定しています。
しかし、大地震の後も以前と同様に居住できるわけではありません。
大地震後の家は倒壊しなくても傾いたり、屋根・外壁・内装・電気・設備など家の大部分が壊れてしまうので、新築するしかないときが多いのです。
実際は阪神大震災のように、大規模の火災も発生するので、倒壊しなくても残ることは難しいのです。
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耐震性能の指標として、品確法の住宅性能表示制度に耐震等級があり、
等級1 基準法の耐震基準の1.0倍(同じ)の強さ
等級2 基準法の耐震基準の1.25倍の強さ
等級3 基準法の耐震基準の1.50倍の強さ
と、規定しています。
家は耐震基準に適合させるため、耐震等級1以上にしています。
耐震等級3の家は、1,2より窓が少なく、工事費が高くなります。
耐震基準1.0の建物は、数百年に1回の大地震のとき人が屋外に安全に避難するまで家が倒壊しない程度の強さに規定しています。
耐用年数が60年で、大地震が300年に1回とすると300÷60=5回になり、1世代30年とすると10世代で家を5回建て直すうちに1回大地震に出会います。
普段の地震では家に損傷がなく、数百年に1回の大地震に出会ったときは家を建て直すとすれば、耐震等級1で十分でしょう。
ちなみに、一般のビルは経済性を重視せざるを得ないので、耐震基準をぎりぎりクリアする程度に建てているので耐震等級1です。
他に忘れてはいけない重要なことがあります。
耐震等級3で家を設計し、現場で図面通りに工事すればその強度の家になりますが、手抜き工事や知らず工事があれば耐震基準以下の家になります。
ハウスメーカー(工務店)が
1. 当社の構造は、他社より強い。
2. 壁構造なので、他社より強い。
3. 鉄骨造なので、他社より強い。
4. パネル構造なので、他社より強い。
と言いますが、どんな構造でも強く設計すれば強くなるし、弱く設計すれば弱くなるのであり、構造の種類と強度は別のことです。
ハウスメーカー(工務店)は、あなたの気を引くためのキャッチフレーズとしてこれらを利用しています。
これらに引きづられて1社のハウスメーカー(工務店)に決めてから家づくりを進めると競争見積りできず、1社見積りになるので高く契約することになります。
あなたが耐震等級を指定すれば、どのような構造・工法でも、その強度の家ができます。
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