誰もが気にする家相 家相は信仰の一つです。 人が信仰することで毎日を安心して過ごせるのなら良いことと思います。 家相はその原点の気相、地相、墓相などから各派があり、それぞれ異なった判断結果がでるので共通の家相はありません。 信頼する一人の家相の先生に決めて判断、指導を仰ぐことになります。 家相を積極的に信じる建主さんは少ないが、その話を聞いたとたんに一時的な家相の信者になります。 家相は、信じる人には根拠があるが、信じない人には根拠のないことです。 家相は信仰であり、聞くと人の心の奥底に入り込むので、単純に解決できません。 新築するとき家相に熱心な友人から何らかの(余計な)アドバイスを受けたとき、どうしますか。 「・・・さん、家を建てるって聞いたけど家相についても考えた方がいいわヨ。本にも書いてあったし、・・・さんとこで・・・だったので・・・になってしまったみたいヨ。」 本当に余計な話だし、家相について知らなければ、聞かなければなんともないが、聞いてしまうと必ず気になります。 そう言われても気にしないと言い切れる人は皆無です。 さっそく家相の本を買ってきて秘かに自分の平面を見直します。 それを無視しようとする人はその後ずっと気持の中にそのことを引きずっていきます。 家相を考えない家の平面はどこかが家相のタブーに該当しています。 それは家相を考えてもどこかに不都合が生じるからです。 家相を100%クリアしている平面は、家相本にある吉相の家です。 見ると今日の平面とは異質なことに気がつきます。 家相を守れば住みにくくなるし、無視すれば家相のタブーに該当します。 家相を考えなければ「明るくて気持の良い家にしたい」ので居間・食堂・寝室・個室などを優先的に配置し、水場は残った位置になります。 家相に従うとトイレ・浴室・洗面所・台所などの水場を家相上タブーにならないよう優先的に配置するので居間・食堂などが残った位置になります。 避けられないと思うなら、家相について検討するしかありません。 方位重視型ブロックプランを作成し、鬼門と裏鬼門をチェックすると家相のタブーの個所が分かります。 最大限修正しますが、どうにもならないときが来ます。 そこで家相とお別れします。 それだけ考えれば、もうこれで良いという確信が持てます。 いざとなれば厄よけのお札で解決できます。 家相は各派で異なる判断になるが、一般的な共通点があります。 水場は台所、トイレ、洗面所、浴室、洗濯場など不浄な場所とされるところで、鬼門、裏鬼門に水場を配置しないのが家相の基本です。 私から家相の話はしないが、いつも水場を鬼門(北東)と裏鬼門(南西)に配置しない提案をしています。 家相を考えるなら、この一般的な共通点である家相の基本を守るくらいにして、それ以上は考えないほうが安全だし、それで十分です。 どうやっても家相を100%満足する平面はできないし、ときには計画が不可能になります。 裏鬼門は南西なので水場を配置することはないが、鬼門は北西なので避けようとしても必ず水場の一部がかかります。 このとき部屋として考えないで、便器や洗濯機そのものがかからないければ良いと拡大解釈すれば、しのげるときがあります。 一番イヤなことは、新築のお披露目のときの心ないお客さんの言葉です。 「アラ、トイレが鬼門に当るんジャナイ!」と誇らし気に言う人。 これに対抗できる言葉は見当たらないので、このような恐れのある人を呼ばないことです。 かつて一度だけ家相による大きな変更がありました。 バイパス交差点の角地の大きな敷地にドライブ・インを新築する計画で、交差点寄りに八角形のガラス張りの基本設計が終わるころでした。 「家相の先生に見てもらったら、建物の配置が良くないと言われた。建物は角地を空けて敷地の奥に配置し、玄関の前に池を造って欲しい。」 内心がっかりしましたが、建主さんの指示なのでそのようにしました。 建物が敷地の奥であれば八角形のガラス張りは意味がないので、長方形で上部に吹き抜けのある建物に変更しました。 家相上の建物の配置までは考えが至りませんでした。 「どうしたら良いですか ? 」という聞き方もあるが、「こうしたいのですが、いかがですか ? 」という聞き方もあります。 良くないところに貼る「厄よけのおふだ」をいただいたときがあります。 住宅の間取りの打合わせのとき、お母さんから突然 「家相の先生がココとココをこうすれば他は良い、と言われたよ。」 家相の先生に相談していたなんて知りませんでした。 でも、大部分が合格みたいだったから、ホッとしました。 数度、遠くの先生のところまで通っていたみたいでした。 その後、こうすればという一部がそうならなかったので 「これでやりたいんですけどと言っていただけませんか。」 お母さんが帰ってきて 「 ここにこの厄よけのおふだを貼れば良いって。」 めでたく一件落着しました。 入社1年後、初の担当は、ある社長の自宅の設計でした。 奥さんが家相に熱心でした。 プランを提出すると「家相の先生に相談するワ」と言われました。 二度目のプラン提出から数日後、所長から「布川クン、あの家ね、設計するのヤメテキタヨ。」と言われました。 トップページへ |
||